今回のつくねの【行ってみたいするめ処】は……
手箱石。
私の趣味であるストリートビュー散策してたらこの面白い名前の上の石を偶然見つけまして。
で、なんの気無しに調べたら、これがこれが結構な香ばしさで。
ぜひお付き合いください。
ここであるあるなんだけど。
自然が織りなす造形物は、しばしば神への信仰心や観光誘致の為に突如由緒ができ、それがいつの間にか伝説となり伝承され……的なことが起こる。
そりゃさ。
生きるためにさ。
藁にもすがる思いでさ。
村や町は血眼になってなんとか観光客に引っかかるものを探すわいや。
するとどうでしょう。
今まで全く日の目を浴びなかった結構控えめなものまでもが……。
大層な伝説が与えられてしまい……。
おや??みたいな。
クラスですごく控えめにおとなしくしていた子がある日急に、なんだ、【地獄の魔軍司令官(インフェルノジェネラル)】的な、、あれだ【絶対なる無法者(アンリミテッドデスペラード)】的な、そんな雰囲気の二つ名を与えられて。明日から未来永劫ぶっこんでいけやと。
本日紹介する手箱石はそんな処です。
もう一度ストリートビュー見てみよう。
右に説明の看板がありまして。
なになに。
↓見にくいと思うから文字に起こしました。
神様がふったサイコロ「手箱石」
鶯沢(うぐいすざわ:地名です)の風土記の書き出しに「二迫川」のほとりの松ヶ崎のたんぼの中に高さ三メートル、周囲十二メートルの稍々四角な石で、頂上には六十センチメートル四方の穴が掘られてある。その昔遊行上人がここに合う庵を結び、この地で没したので、その葬ったところに墓印としてこの石を置いたという言い伝えもあり、別名「遊行塚とも言う。」と書いてある。里人に聞くと、「この石の上で火を焚いて昔雨乞いをしたものだ。それで頂上の所に炉跡がある。」と言う。
平成三年七月 鶯沢観光物産協会
まずこれ。
高さ3メートルもあるのかよ……!
思わず声出た。でかい。
そして周囲12mってことは一片3mで丁度立方体でサイコロ。すご。
で、この上で遊行上人がこの手箱石を利用して簡単な小屋的な、仮住居的なのを作りましたと。
遊行上人は時宗(鎌倉時代に興った浄土宗の一派)の総本山である遊行寺の歴代の住職さんのこと。ただ話してる人がふわっと遊行上人って言ったら時宗の開祖である一遍もしくはその弟子で2世の他阿を言ってることがあるので文の前後から判断してほしい感じでそのあたりは本当にわからんのが本音ですはい。
で。
そんな高尚な方がこの場所でお亡くなりになって、まぁ言ったら墓標的なもの、いわゆる塚としましょうやと。
そしたらさ
この説明看板読む限りはさ。
その上で火炊いてんのよな。
跡残るほど燃してんのよな。
いやちょっとまって。
これはありなのか。
ちょっとその辺の感覚が無いんだけど、
「べぇわ雨降らねぇべぇわこれ生き死に直結事案だわ」と。
で。
「それはそうとさ……」
「墓石の上で物燃やそうぜ」
怖いって。
中島レベル100。
磯野ぉ墓石火つけようぜ。
石の手前とかなら全然わかるんだよ。
棚並べて供物置いて踊ったり歌ったりしてさ。
「今年も墓石の上でぇ↑」
「「「↑↑物燃やそうっ↑↑」」」
ふわっとした伝承、ほにゃっとした伝説にハートウォーミングしちゃうエキスパートにはツボな場所。手箱石でした。
最後に。
説明看板に神様がふったサイコロって書いてあるけど、実はこの手箱石で何かを占ったりとかサイコロそのものに纏わる伝承は無くて。
だからこの看板に書いてある【神様がふったサイコロ】はちょっと盛ったというか、乗せたなって感じかなと。
ではこの手箱石の名前の……
【手箱】
なぜ【手箱】なのか…
手箱って文字通り『箱』なんですよ。
つまり……
この手箱石の中には……
イヤアアアアアアアアアアアア
こんな終わり方しかなかったか
イヤアアアアアアアアアアアア
∞つくね∞